六甲山の牛女

43 :本当にあった怖い名無し:04/09/24 01:43:03 ID:/U1XGEy/
 
六甲山に出る牛女ってしってる? 
実際アレを見た人に話聞いたよ。 

『牛女』にも色々種類あるらしいけどね。 
走り屋の間の噂では、牛の体に女の顔(般若という話もあり)で、車の後を猛スピードで追っかけてくる『牛女』。
あと、丑三つ時になると出る女の幽霊で『牛女』。
最後に、女の体に牛の顔の『牛女』。私が聞いたのはこの牛女の話。 
体験者は友人の両親だ。


43 :本当にあった怖い名無し:04/09/24 01:43:03 ID:/U1XGEy/

4年ほど前のお盆の頃。2人は弟夫婦と共に、墓参りの為、実家に帰省した。 
4人は墓参りをし、実家で夕食をすませてから帰ることにした。 
他の3人は酒を飲んでいたので、おばさんが運転手、助手席にはおじさんが、後部座席には弟夫婦が乗り込んだ。
実家を出たのはもう真夜中近くだった。

しばらく山道を走っていると、前方の道沿いに畑がある。 
あれ・・?
道路のすぐ横、畑の畦道に、着物を着た老婆が座っている後姿が見えた。 
首をうなだれ、背中だけが見える。 
「こんな時間におばあさんが畑にいるなんておかしいわね」
後部座席の弟夫婦とそんな会話をかわし、スピードを緩めた。 
老婆はこちらに背を向けたまま、身じろぎもしない。 
そして老婆の真横に来た瞬間、座っていた老婆が、クルーリとこちらに顔を向けた。 




44 :続き:04/09/24 01:46:00 ID:/U1XGEy/

 
3人が悲鳴をあげる中、突然エンジンが止まった。 
牛女が助手席側の窓を叩いた。 
バァーーン!! 
「きゃぁーーっ!早く車だして!!」 
おばさんは震える手で何度もキーを回すが、エンジンは一向にかかってくれない。 
「なんや!なんの音や!」
おじさんが叫ぶ。 
「なんでみんな騒いでるんや!?」 
「なんでって、あなたには見えないの?真横にいるのに!」 
「なにがおるんや!?なんで止まってる!?」 
バーーーン!! 
「牛の顔の老婆が窓を叩いてるのよ!!」 
「そんなもんおらん!」 
「いるのよ!そこに!あなたの真横に!」 
バーーーーン!!!! 
何度やってもエンジンはかからない。 
「どけ!かわれ!」 
おじさんが運転席に移り、キーを回した瞬間、嘘のように簡単にエンジンは回りだした。 
「はやくだして!」
牛女は追っては来なかった。 

それから里帰りの度にその道を通るが、『牛女』に会ったのはこの1回だけだったそうだ。 


45 :続き:04/09/24 01:47:43 ID:/U1XGEy/
 
「信じられへんような話やろ?でもこれ読んでみ」
一緒に話を聞いていた友人(体験者の子供)が、1冊の本を差し出した。 
『太平洋戦争末期、西宮が空襲にあった。
 牛の屠殺で栄えていた家が焼かれ、その家の座敷牢から頭が牛、少女の体をした物が出てきた。 
 ”それ”は周りが見つめる中、犬を食っていた・・・』 

時間の経過と共に、牛女もまた、人間と同じように歳をとっていったのか? 
ではなぜ、見える人と、見えない人がいたのだろう?