狸道

233 :本当にあった怖い名無し:2005/11/02(水) 17:18:11 ID:b3A1zvsT0

愛媛某所で、ぽっかりと時間ができたのでぶらぶらしていた。
四国は初めてで、何より珍しかったのは、ミカン収穫のためのモノレール。
乗ってみてぇな、なんて思いながら畑の側をうろうろしていたら、地元のおっちゃんと知り合った。
最初は怪しまれていたけどね。 


233 :本当にあった怖い名無し:2005/11/02(水) 17:18:11 ID:b3A1zvsT0

暇にかまけていろいろな話をした。
近所に若者が少なくなっているのと、おっちゃんが話好きなのとで、ずいぶん仲良くしてもらった。 
その時にタヌキの話を聞いた。
畑の上の方の道は隣村まで続く一本道で、今でこそ車が通れる道だが、昔は軽トラも通れない道だった。
夜この道を行き来すると、タヌキに化かされて道に迷うのだという。 



234 :本当にあった怖い名無し:2005/11/02(水) 17:18:45 ID:b3A1zvsT0

話に対する俺の食いつきが良かったので、
「じゃあ、実際に見せてやるよ」と、おっちゃんが案内してくれた。 
その道の左は山、それも見上げるような斜面で、登ろうと思っても登れるものではない。
そして右は谷。
木がうっそうと生い茂り、木を抜けたとしても、どこまで転がり落ちるかわからん急な傾斜だった。
「いまは車も通れる」なんて言っていたが、すれ違うのは難しそうだ。 

「ホントに一本道ですね」 
「おうよ」 
「ここで迷うんですか?」 
「おう、ここで道に迷うんじゃ」 
「どうやって?」 
「そんな事知らん、タヌキに聞けや」 
「狐じゃなくてですか?」 
「ここは四国じゃ」 
「あー、そーか」 

俺が、でもやっぱりこの一本道で迷う事はあり得ないと言うと、 
「だから不思議なんじゃ。入り組んだ道で迷えば不思議でもなんでもないじゃろ?
 この一本道で迷うから『タヌキのせいだ』って話になるんじゃ」と言われた。
納得できたような、いまいち納得できんような。 

その後、行政に対する愚痴が始まったので、切りの良い所で逃げてきました。


235 :本当にあった怖い名無し:2005/11/02(水) 21:05:58 ID:c3wcU8CP0

無知でスマソ。 
>「そんな事知らん、タヌキに聞けや」 
>「狐じゃなくてですか?」 
>「ここは四国じゃ」 
ここの意味がわからん。。。 
単純に、四国にゃ狐はいないって事? 


236 :お遍路さん:2005/11/02(水) 22:09:06 ID:pzTUMIO/0

>235
四国には、
・狐と狸が妖術合戦をして、負けた狐が四国から追い出された。 
・人々を困らす暴れ狐が弘法大師に退治されて、
「四国に鉄の橋が架かるまで帰ってくるな」と追い出された。 
…という伝説があるのです。