810 :本当にあった怖い名無し:2008/06/12(木) 18:03:21 ID:RL6xeWrdO
小さい頃、祖父が友人宅から、鷹の絵の描かれた大きな絵皿を貰ってきた。
それは今でも和室に飾ってあって、とくに怪奇現象を起こしたりはしてない。
祖父の友人は骨董商だった。
その皿も店の品物でかなりの逸品らしいが、売れてもじきに返品される謎の皿だったらしい。
当の骨董商が亡くなったとかで、親友である祖父が形見分けとして引き取ったそうだ。
皿がうちに来た当時、幼かった私はその絵皿がえらく気に入っていた。
触ると祖父に怒られるので、祖父の外出中をねらって、皿を床にふせて爪ではじいていた。
そうすると、皿から若い男の人の声がした。
「痛い、叩くな」
「やめなさい」
「物なんだから大切に扱え」
こういう内容がほとんどだったけど、反応があるのが面白くて弾きまくった。
皿はたまに、「ここだけの話だからな」といって、他人の秘密を教えてくれた。
若い頃の祖父が、美女に交際を申し込むために、馬鹿みたいなパフォーマンスをしたこと。
その馬鹿男を祖母が殴って叱ったのが、二人のなれそめであること。
隣の奥さんが、不倫亭主を見限るまでの経緯。
ほかにも、普通なら知り得ない他家の事情をいろいろ聞かされた。
惚れたはれたが多かったが、たまに私が沈んでると励まされたりもした。
皿から聞いた話を祖父母に言うと、やけに焦った反応が返ってきたから、あながち嘘ではなかったんだと思う。
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