ウツボカズラの妖怪

784:名前:雷鳥一号:03/11/22 01:53
 
先輩の話。 

アメリカへ出張に行っていた時のことだ。 
向こうの山に登って、親しくなった現地のガイドに聞いたのだという。 

一人の時に山小屋を見つけたら、入る前に注意することだ。 
普通の山小屋なら何も問題は無い、ゆっくりと休むがいい。 
だが、
もし、小屋の扉がひとりでに開いたら― 
もし、踏みしめた床が柔らかく弾力に富んだピンク色だったら― 
もし、酸っぱい臭いのする液体が滴っていたら― 
もし、床の上に骸骨が散乱していたら― 
それは山小屋ではなく、グーディナルなのだから。 

ガイドによると、その地方に伝わる民間伝承の怪物で、短編小説にもなったそうだ。 
その土地には食虫植物が多く見られるのだが、
「ひょっとしたらその化け物かもな」 
そう言って、ガイドは酒を注いでくれたという。 


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